『はじめての人は。』裏ネタ
<Cロイ・マスタング大佐の場合>



何? 私の初体験?
そんな大した事はないぞ。

さすがの私もまだいたいけな
少年だったのだからな。
早すぎる?
こんなことに遅いも早いもあるか、馬鹿者。
抱いた女が幾つだろうと、そのときバージンだったのならば、私の為に待っていてくれたのかと喜べばいいのだ。経験よりも気持ちの問題だろう?

…………なんだね中尉、その疑惑の眼差しは。

と、ともかくだ!
そんなこと自慢するものでもないが、仕方あるまい。
相手の女性……は、もう随分昔の事だからな……はっきりとは思い出せないが、とりあえずなかなかに美女だったぞ。

ん?年齢?
知らんな。 ああ、だが年上だ。
当たり前だろう、馬鹿者が。
いくら私でも当時の自分より下なら、明らかに犯罪行為だ。
だから中尉にも手を出せなかっ………………銃を下ろしたまえ。

――ゴホンッ。
えー…と? どこまで話した?
ああ、そうそう、金髪のグラマラス。
年下男を誑かして手玉に取るつもりが、逆に取られて驚いていたっけな。
私を甘く見てはいけない。 
こういうことは最初から長けている者もいるのだよ、天賦の才とでもいうのかな。はっはっはっは。
自慢ではないぞ、真実だ!

何? いつもそんなに余裕なのか?
女性を悦ばせるのは男の嗜みだろう。
……ああ、お前は余裕なさげだな、ハボック。

まあ若干1名、余裕を保てない相手もいるのだがね。

ハニーブロンドの髪がシーツに乱れ、白い肌が上気して紅く染まり、薄くひらいた唇から官能的な声音が聞こえるとゾクリとするよ。ライトブラウンの潤んだ瞳で見つめられると、どうにも余裕がね?
普段が普段なだけに、余計煽情的で参ってしまう。
なあ中尉、どうしたらいいと思うかね?(ニヤリ)

(――……俺らの存在忘れてるでしょう、大佐)

この後銃声。

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