『はじめての人は。』裏ネタ
<Dリザ・ホークアイの場合>



ロイ 『私としては君の経験談が気になるところだな。答えたまえ、中尉』


――え?初体験ですか?
その話は先程終わったんじゃなかったんですか。
……別にはぐらかしたつもりはないんですが……はぁ、まあ別にやましい事があるわけではないのでかまいませんよ。
あまり突っ込んだ内容は却下しますよ?セクハラです。

フュリー 『えっと、じゃあ、年齢と状況は?』

アバウトな質問ね。
年齢は……ごめんなさい、本当に良く覚えていないのよ。
だってそんな事に気を取られているような可愛らしい女の子ではなかったし、そんな状況でもなかったの。
状況?
そうね。ムード、というのはあったようななかったような……口での説明は難しいわね。
でも彼としなきゃっていう強い想いがあったのは確かよ。
流されたんじゃなくて、私の意志です。

ファルマン 『それは……好きな人、だったんですか?』

好き、というよりは尊敬、かしら。
彼の全てに応えたいと思えるほどの敬愛ね。
…………好き……じゃなくはないわ。

ブレダ 『大佐の視線が怖ぇなあ……あーっと、相手の男の特徴は?』

尋問みたいね、ブレダ少尉(苦笑)。
――中肉中背。年上。それに長髪――

   
――――どよっ!
   一同ざわめき、視線がロイへ集中。

ロイ 『な、なんだ!?私は長髪にした覚えはないぞ!?
    中尉、相手の男は長髪だったのか……!?』


――は似合わないと思います、と言うつもりでしたが。
彼がそうしたいなら嫌とは言いませんが、見る目は変わりますね。
第一髪の色が濃いので鬱陶しいし、何よりお揃いの髪型を楽しむ趣味は私にはないので。
もしそうだったとしても、あの頃の私はショートだったから、お揃いは無理ね。

ハボック  『その男ってエッチうまいっスか?モテる?俺らの知ってる人?』

何故現在進行形の質問なのか気になるところね、ハボック少尉。
初めてなんだから巧いかどうかなんて分かるわけないでしょう?
……下手ではないのだとは思うけど。
モテる?さあ?自分で言うだけならオウムにも出来るし。
ああ、でも女の扱いは小慣れてる感じ。
あなた達の知人か否かの質問は却下。
突っ込みすぎよ。イエローカード。

ロイ 『その男は黒髪黒目かね』

東の国では国民のほぼ全てがそうであるらしいですよ。

ロイ 『君の話は私の知っている女性と非常に酷似していると思うのだが、気のせいかね』

気のせいです。

ロイ 『質問を変えよう。女性の初体験は痛みを伴うと聞くが、コレは真実?』

人によりけりです。
苦痛の程度は様々なようですよ。ご存知かと思っていましたが。

ロイ 『…………あー……出血――』

――があるから初めて、とは限りませんよ。
出ない人もいれば、暫く続く人もいますから。
まさか二回目以降完全に痛みがない、なんてありえるとお思いですか。
痛みがあり出血があるから初、と判断するのは早計かと。

ロイ 『――ちょっと待て。今ものすごい混乱の極みだ……
   えーと……中尉?君の相手は黒髪黒目?地位は大佐で、今君の目の前にいる――』


――レッドカード。退場です。


((((……・……………………))))


ハボック 『あ――…と、最後にひとつ。今もその男、好きですか?』


少尉、レッドカード。
1 1
裏ネタ