please tell me, please honey ?

「君は私の何だ?」


突然何を言い出すのかと思えば。
私の部屋なのにまるで我城のような顔をして、人のソファーでふんぞり返りながら言う。
「あなたの部下ですよ」
顔も見ないでサラリと返した。
「それは知ってる。軍部での君は私の優秀な護衛官で、誇るべき副官だ」
あなたもサラリと返してくる。
「……ありがとうございます」
意外に真摯な声で言ってくれるから、思わず顔を見てしまった。

それが失敗。

「ではプライベートでの君は?」
さっきの声は今の顔から出たんじゃないでしょう、とツッコミたくなるような企み顔。
「プライベートでの君は私の何かな、と聞いているんだよ」
ここが執務室のソファーでないことが悔やまれる。
顔を覗き込まれても、サボらないで下さいと怒る口実が何も無いのだ。

「………………」
「さて、リザ?」
いっそ清々しいほどの小憎たらしさ。
「………………」
「そこまで言い渋るほどのものか?」
ぷいと顔をそらして答えないままの私に、少し落胆の色を含んだ彼の息が頬をくすぐる。
「……今更口にさせるほどのことでもないでしょう?」
分かってるくせに。
そうっと伺うように視線だけを彼に向けて

――あ、また失敗。

「たまには君にも確認させてみたいじゃないか」
そんな至近距離でそんな表情をしないで下さい。

思わず言ってしまいそうになるじゃない。



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