知らないフリの追究者




カーテンの隙間から覗く朝の光に、ペトラは誘われるように寝返りを打った。
シーツを手繰って一度身体を丸めてから吐息と共に弛緩させると、程好く強張りの取れた関節が気持ちいい。

「ん、ん―――……」

起き上がったベッドの上で伸びをしてから立ち上がると、ペトラは備品のテーブルに合わせて置かれた椅子の背に掛けられている固定ベルトを手に取った。
カーテンを開け、手慣れた動作で装着を済ませ、顔を洗いに洗面所へと向かう。

今日の目覚めは爽快だ。
滴る水が首筋に流れる前に拭いながら、ペトラは軽快に息を吐いた。
窓の外は雲一つない晴天で、遠くに聞こえる鳥達のさえずりも気分を軽やかにしてくれる。

「……よしっ。今日も頑張るぞっ、と!」

パン、と景気づけに頬を叩いて気合を入れる。
全体訓練は午後からの予定だ。それまでは各班長の指示にならうとなっている。
みんなで朝食を取り、掃除や洗濯を済ませ、その他はリヴァイの指示待ちだった。
本日の業務を頭の中で反芻して、ペトラは鏡の中の自分がへらりと相好を崩しているのに気がついた。
―――そう。昨夜はとても楽しかった。
日々の鍛錬の疲れも全て吹っ飛ぶくらい、久し振りに会えた同期や仲間達と笑い合って、英気は十分に養えたといっていい。若干記憶があやふやな部分はあるが、きちんと自室で装具も外して寝ていたのだから、特に問題はなかったと判断する。

「確か最後はハンジさんと話してて……」

秘蔵を見せてあげようと、見たことのない綺麗な色ガラスのボトルに入った蒸留酒をドンと掲げられたことは覚えている。
その後、何だかんだでリヴァイの話題になったことも、薄ぼんやりとだが思い出せる。せっかく色々な話を聞けたはずなのに、内容を覚えていないのだけが残念だ。
眠ってしまったのだろう自分を運んでくれたのは、グンタかエルドだろうか。ハンジには今度謝罪をしなければ。
考えながら階下におりると、既にリヴァイ以外の全員―――エルドにグンタにオルオが食卓を囲んでいた。
湯気の立つコーヒーの香りが朝の光景に丁度いい。
ペトラに気づいたグンタが、「よう」と片手を上げて見せた。

「おはよう、みんな」
「よう」
「おはようペトラ。酒残ってないか?」
「…………おぅ」

からかい気味のエルドには笑って元気を示しながら、ペトラはまっすぐキッチンへ向かう。木棚から自分のマグを取り出して、サーバーからコーヒーを淹れる。湯気とともに昇る芳醇な香りに鼻腔をくすぐられながら戻ると、いつもの席―――オルオの前―――の椅子を引いて、ペトラはテーブルに突っ伏したままで辛うじて挨拶を返したオルオの頭を見下ろした。

「オルオ、もしかして二日酔い?」
「……」
「だらしないなぁ。何でそんなになるまで飲んでんのよ」
「……フッ、ペトラよ……俺のことがそんなに心配か?」
「舌噛めば治るんじゃない?」
「……」

思い切り青褪めた顔色をさせながら、それでも某兵士長の口調を真似るように話すオルオには呆れるばかりだ。だがすかさず半眼で返したペトラに言い返す余力はないらしい彼は、力尽きたように今度は大人しくテーブルに頭を落とした。

「そんなに具合悪いなら大人しくしてたらいいのに……」
「ペトラ、お前はまったく何ともないのか?」

呆れるペトラに、グンタが信じられないというように声を掛けた。
正確な酒量は知らないが、オルオよりは飲んでいたはずのペトラに、体調不良の様子は見られない。

「うん、ちょっと記憶があやふやだけど。あ、私何も変なことしてなかったよね?」
「あー……」

兵長兵長とうるさくなるのはいつものことで、変と言うほどの事でもない。
いつもと違ったことと言えば、それを切り上げさせたのがリヴァイ兵長本人で、そんな彼の裾を掴んでトボトボとついて行っていたというくらいだが、これは教えるほどの事だろうか。
昨夜の後ろ姿を思い浮かべて思案に暮れたエルドの呻きに、ペトラはちょこんと首を傾げた。

「エルドも少し二日酔い? 今朝のスープはさっぱりしたのにしようか?」
「……ペトラよ、さっきと態度が違いすぎねえか……?」
「そうだ、昨日運んでくれたのってグンタ? エルド? ごめんね、ありがとう」
「いや、俺達じゃない」

ぎぎ、と顔を上げたオルオの言葉はきれいに流して、ペトラがえへへと照れくさそうに礼を言うと、グンタが首を振った。「そうなの?」と聞き返すペトラの髪が、首の動きに合わせて横に流れる。
まだ訓練開始前の自由時間だからだろう、第二ボタンまで開けられたシャツのせいで、その首元がちらりと見えた。

「ペトラ、お前その首どう―――……」
「うん?」

頬をテーブルに預けたままのオルオがそう言い掛けてハッとしたように口を噤む。
その指摘に視線を向けたエルドとグンタも、同じように口を噤み、ちらりと視線を絡ませ合う。

「え、何? 首?」

何かついているのかと手をやって、ペトラはガラス戸の嵌め込まれた横の戸棚に首を伸ばした。きれいに映るわけではないが、三人に指摘される程の大きなゴミならわかるはずだ。
髪を耳に掛け直し首を傾ける。

「なんだろ……、虫刺されかなあ……?」

洗顔の時には気づかなかった鬱血のような痕ができているようだ。
小さく点在するそれに触れながら不思議そうに呟くペトラの後ろで、三人はすっと視線を逸らす。振り返りマグを持ち上げたところで、ペトラは不自然に顔を背ける彼らに気づいて、ぱちくりと目を瞬いた。

「何? どうしたのみんな?」
「ペトラ……お前、本当に昨日の記憶まるでないのか?」
「どういう――?」

グンタの質問に、怪訝な表情でペトラが問い返した時だった
ドアの開く音と共に、二人の足音が聞こえて、全員の視線がそちらに向かう。

「……何だ」
「あれ? なになに、皆どうかしたの?」

微妙な無言での出迎えに、リヴァイが片眉を上げた。そのすぐ後ろに立ったハンジもあまりないリヴァイ班の奇妙な沈黙での集合に、不思議そうに面々を見回した。

「おはようございます、兵長。ハンジさん」

先に挨拶をしたのはペトラだった。
妙に視線を逸らしてくる男共はひとまず放っておくことにして、リヴァイとハンジに笑顔を向ける。我に返った三人も、それに続けとばかりにビシッと姿勢を正した。

「お、おはようございます!」
「おはようございますっ」
「おはようございま―――へぶっ」

青褪めた顔で盛大に舌を噛んだオルオをいつものように構わず、リヴァイは「ああ」と返した。あり得ない状況で口から血を流しているオルオへ仕方なしに水と手拭いを渡してから、ペトラはハンジに駆け寄った。おはよう、と手を上げたハンジにもう一度挨拶を返して、ペトラはバッと頭を下げる。

「あの、昨日は申し訳ありませんでした! せっかく色々お伺いしてたのに、私お話の途中で眠っちゃったようで……」
「ああ―――、いやいや。ペトラは最後まで起きてたよ」
「へ?」

てっきり酔い潰れてしまったとばかり思っていたペトラは、ハンジの言葉に驚いた。
エルド達に運ばれたわけでもないということは、会話が終わって、ペトラは自分の足でここに戻ってきたのだろうか。
言われてみれば、夜風に当たって歩いたような記憶があるようなないような。
軽く顎に手を添えて思い出そうと試みるが、やはりあやふやなままの記憶の復元は出来そうにない。

ハンジの態度から、特に失礼なことをしたわけではなさそうだと思いつつも、記憶がないということ自体がやはり失礼にかわりはない。ニヤニヤと含み笑いを漏らすようなハンジの表情に上目遣いになりながら、ペトラは「すみません」と小さくなった。
そんなペトラの肩を励ますように、ハンジがポンポンと軽く叩く。

「大丈夫大丈夫。いいところだったのに、途中で割り込んできたリヴァイにお持ち帰りされちゃっただけだから」
「オイ……」
「へっ!?」

語弊のありまくるハンジの説明に、ペトラはまた驚いてしまった。顔を上げる。
昨夜の状況を知っているリヴァイ班の面々は、あきらかなからかいに転じたその台詞に全員が引き攣る思いで、しかし咄嗟に的確な訂正も出来そうにない。リヴァイの能面にような表情が――いや、その眉間に深まった縦皺が怖い。
その説明だと、いわゆるお持ち帰りを依頼したことになるエルドに至っては、片手で額を覆って天を仰いでいる。

「フザケんなクソメガネ。酔ってすっとぼけた部下をついでに連れ帰ってやっただけだろうが」
「へ、兵長がっ!? も、申し訳ありませんでしたっ!!」

まさかリヴァイの手を煩わせていたなんて。

「……………………ああ」

真っ赤な顔で大声を張り上げたペトラの頭上に、たっぷり十秒以上の間をあけて、リヴァイの声が降ってくる。

――――――その間に、いったいどんな意味が。

記憶にないのがこんなに恐ろしいと思ったのは初めてだ。
毎回ではないが、時たま記憶が途切れがちになることは過去に数回。そのいずれも「お前、兵長兵長うるせえよ」等と過日笑われて終わる程度の事で、気をつけようとは思っていても、深く考えてはいなかった。だがまさか、本人を前に「兵長兵長」などと言ってしまったのかもしれない。
ペトラはおそるおそる顔を上げた。

一瞬リヴァイと目が合ったようにも思ったが、気のせいだったのかもしれない。
微妙にずれた視線は、呆れているようにもわざとのようにも思えて、ペトラを居た堪れない気持ちにさせる。
助けを求めて後ろの仲間達を見るが、いかにも我関せずとそっぽを向いたグンタに、諦めろというように首を振るエルド、ペトラの渡した白い手拭いを血染めにしたオルオからはわかりやすく視線を逸らされて、援護は望めそうもない。
身体を戻して向き直ると、ハンジがニマリと音の出そうなほどはっきりと口角を吊り上げた。さらりとペトラの髪を首から流す。

「あれー? ペトラその首どうしたの」
「え?」

(((聞くんですかー!!!?)))

しっかりと聞き耳だけを立てていた三人は、一様に驚いて、思わずテーブルの上でがたりと音を出してしまった。うっかり立ち上がりそうな足腰は日頃の鍛錬を遺憾なく発揮して、どうにか落ち着けることに成功した。が、オルオは驚きすぎて、突っ込む為の舌そのものを噛みながら、盛大な血飛沫を上げる程の驚きだった。
そんな彼らの胸中を知らないペトラは、首の付け根に手をやった。

「これ―――何だか昨日虫に刺されたみたいなんです」
「へー。ずいぶんデカい虫に吸い付かれたんだね。ね、リヴァイ」
「……刺されたっつてんだろクソメガネ」
「え、さしたの? さしたの、マジで? 朝からそんなこと言っちゃっていいの?」
「死ぬか削がれるか蹴り殺されるか殴り殺されるか1秒で選べ」
「えっ、え? 兵長? どうしたんですか?」

急に不穏な空気を纏ったリヴァイを、ペトラの慌てた声が宥める。ちっと舌打ちしたリヴァイにひとしきり爆笑して、ハンジは、二人の対照的な態度に困惑の表情を浮かべて、おろおろと交互に見つめるペトラに向き直った。
かみ殺しきれない笑いのせいで、涙が滲むのを指で拭いながらではあるが。

「ペトラは昨日のこと、本当に何も覚えてないんだ?」

ハンジ自身の首の付け根を、ととんと指で叩かれて、ペトラは申し訳なさに上目遣いで頷いた。それから、眼力だけでハンジを射殺そうとするかのようなリヴァイをおずおずと見上げる。

「あの……もしかして私、昨夜、その、何か兵長に失礼なことを……」

―――したのだろうか。
答えのないリヴァイは、僅かに片眉を上げたようだった。続く言葉を待つペトラに、長身のハンジがぐいっと顔を近づける。内緒話をするかのように右手を口元に置いて、しかしその行動とは裏腹な大きな声を出す。

「ペトラ、今朝はちゃんと服着―――ぶッほ!!」

台詞の途中で、背中にリヴァイのミドルキックを決められたハンジが、仰け反るように中断する。
背中を押さえて、痛むだろうに何故か爆笑し出したハンジを、腕組みをしたままリヴァイがぎろりと睨んでいる。

「無駄話はそれくらいにして、てめぇはさっさと持ち場に戻れ」
「はいはーい。いやー、お酒って怖いねリヴァイ。理性プッツンかあ……プッツン―――おっと、リヴァイ兵士長様の眉間が過去最高の深堀だ!」
「わかった死ね」
「へ、兵長!」
「ぎゃっは! ペトラ助けてー! ということで、じゃあ皆また後でね」

まるで自分達の背中に蹴りが決まったかのように、三者三様に苦悶の表情を浮かべていたエルド達にもパタパタと手を振って、放った爆弾に何の責任も取らないまま、ハンジはスキップでもしそうな足取りで立ち去っていった。

「…………」

せっかく嵐が過ぎ去っても、代わりに訪れた静寂は、ホッと息をつける安らかさには程遠い。
ペトラの首につけられた痕と、まるで覚えていないらしいペトラ、それにハンジのからかいを途中で蹴り飛ばしたリヴァイの不機嫌さを考えれば、それとなく事の次第が推測できてしまうから心臓に悪い。
ごくりと唾を飲む音さえ聞こえそうな緊迫した雰囲気の中、最初に声を出したのは、別の意味で張りつめていたペトラだった。

「兵長、あの、私―――」

しかしそこで途切れてしまう。
ペトラ自身の記憶にない失態をあれこれ想像して混乱しているのが手に取るように分かって、エルド達三人は互いに顔を見合わせる。
引くか残るか助けるか―――。
無言の会話は十数秒。誰からともなく頷いて、意を決したエルドが口を開いたのと、リヴァイがペトラのシャツを引いたのは、ほぼ同時だった。

「リ、リヴァイ兵長! 次の陣形訓練で―――」
「……簡単に刺されるような真似をしてんじゃねえよ」

引かれたペトラが前のめりに踏鞴を踏んで、半眼で低く囁くようなリヴァイの声の近さに、弾かれたように飛び退る。

「っ、はい! ―――……て、え、虫にですか?」

吐息のかかった首筋を押さえながら勢い良く返事をして、しかしペトラはきょとんと目を瞬いた。そう言われてもどうすれば、と顔面に疑問符が張り付いている。無表情に眉間の皺を刻んだリヴァイが何かを言おうと口を開き、言葉にする前に閉じられた。

―――何か、返事を間違えたらしい。

辛うじてそれだけは理解できたが、結局原因のわからないペトラは、困惑気味に口中で「ええと」と言い澱んだ。ここで敬礼は違う気がする。目まぐるしく考えて、咄嗟に虫刺されが病気の媒介になることがあると、前に何かで聞いたことを思い出した。リヴァイの言葉はそういう類のものかもしれない。

「……あの、以後、気をつけます!」

回答に自信はないが、出来るだけ真摯な口調でそう告げる。と、リヴァイの口から深い―――ものすごく深い息が吐き出された。更に十分な沈黙を置いて、小さな舌打ちも追加される。

「………………せいぜい気をつけろ」
「ハイッ」

事の成り行きをハラハラしながら見守っていた三人は、ふー、と疲れたように眉間を抑えたリヴァイの姿に、ぐっと男涙を堪えるようにテーブルの下で拳を握った。

(アイツ、絶対襲ったろ……。そして絶対寝落ちした)
(……耐えた……っ。耐えられたんですねリヴァイ兵長……!)
(ペトラよ、お前兵長にナニ―――ぅぼあッ!)

心中の台詞にすら舌を噛んだらしいオルオの口から吹き出した血を、グンタがさっと血濡れの手拭いを宛がって、その背をエルドが宥めるように擦る。そんな彼らをいつもの事と流し、リヴァイは一人現状を理解できていないペトラの肩越しに食卓を見た。

「……コーヒー、まだあんのか」
「あ、はい! 今淹れて―――」
「いい、自分でやる」

そう言うと、リヴァイはやはりペトラに一瞥もくれないまま、さっさと奥まったキッチンへと行ってしまった。
怒っているのとは違うようだが、機嫌があまり良くなさそうだということはペトラにもわかる。それは自分のせいだろうか。だけども失態の内容もわからないままでする謝罪は、リヴァイが嫌うものだということも知っている。
昨日の酔った自分が何をしでかしたか知っているのは、おそらくリヴァイだけだろうことも、何となくだがペトラにも察しがついてきた。それだけに、駆け出して行って聞く勇気が出ないでいる。

リヴァイの背も足音も完全に遠ざかってから、オルオが二日酔いと出血多量で青褪めた顔をペトラに向けた。

「……ペトラよ、お前」

自由の翼を背負ったリヴァイの後ろ姿へ、何ともいえない視線を向けていたエルドとグンタも目顔で互いに頷き合うと、さっと表情を引き締めた。ひたすら頭を抱えながら、それでも怪訝な顔を向けてくるペトラに沈痛な面持ちできっぱりと告げる。

「酒やめた方がいいぞ」
「何それ―――……って、やっぱり私昨日兵長に何かしたの!?」

したと言うのか、されたと言うのか。
他にもありそうな虫刺されの痕を指摘出来るはずもなく、狼狽するペトラを前に三人の間に沈黙が落ちる。

「ちょ、何? 何したの私?」

むしろそれは自分達の方が詳細を知りたい。
余計な地雷を避ける為の必要な手順として教えて欲しい。が、まさか聞けない。
男同士、言葉にならない思いを一つにして視線を逸らせば、もうそれを気にする余裕をなくしたらしいペトラが「どうしよう」と呟いた。そして次の瞬間、

「も―――もう一回兵長に謝ってくる!」

ペトラはそう宣言した。

「あ、おい」
「ペトラ―――」
「やめ―――」

止める間もなくキッチンへと駆け出してしまった後ろ姿に、止めようとして伸ばしかけ、空を切ったエルドの手がガクリとテーブルの上に落とされた。
立ち上がりかけていたグンタも無言で椅子に座り直し、力尽きたように頭を天板に打ち付けたオルオの背中をさすってやる。自分達に出来ることはもう他にない。
次に機会があったなら、立体機動を駆使してでもペトラからアルコールを遠ざけよう。
それだけを固く誓い合いながら奇妙な沈黙が辺り包む中、湯気のなくなったコーヒーカップだけが、朝の無邪気な陽光を受けて静かにそこに煌いていた。


【end】


何にも甘くならないのは仕様ですすみません(^q^)
リヴァイ班は何だかんだで紅一点のペトラを気にかけてたりしたら俺得以外の何物でもないんですけど、割とペトラの気持ちは駄々漏れで、だけどひた隠しにしてるとことか、「兵長本当んとこどうなんですか」と聞きたいけどまあ無理だよなーとエルド辺りが思ってるとやっぱり俺得だなと。
この後キッチンで意味解らないまま謝罪するペトラに説教してイラッムラッとした兵長が「気をつけろっつったろ。……一度味を覚えた奴は面倒だ」って忠告したり「ここにもあんだろ」って胸の下辺りを指摘したりして、部屋に戻って痕を確認したペトラが悶々すればいいです。

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