ONLY ME 〜last sentence〜
遅すぎる空腹を訴えて、冷蔵庫の扉を開けるが見事なほどに何もない。 仕方なしに残存する野菜たちでサラダを作ってくれたリザに、「何買っとけばいいかな」と言った。 「リスト作りましょうか」 「頼むよ。ついでに明日一緒に行ってくれるとありがたい」 「……そうですか」 サラリと言われて困惑気味に呟かれた言葉に照れ隠しを感じ、くすりと笑う。 全く満たされない胃袋をあきらめソファに移動すると、洗い物を終えたリザが 最低限必要なもの書き記したリストを差し出した。 「後でするから置いといて良かったのに」 ありがとう、といってリストを受け取り、自分の隣へ席を勧める。 一瞬躊躇った後、遠慮がちに浅く腰掛けたリザの肩に手を回して抱き寄せた。 「――大佐!」 「今更だろ」 突然の出来事に抱え込まれた姿勢になったリザが抗議の声をあげるが、腕が緩むことはなく。 拗ねたような視線でロイを睨んだリザの表情に、内心の驚きを隠しロイは笑んだ。 幼子にするように頭を撫でると、リザが少し頬を染め、困ったようにはにかんだ。 『照れるとか拗ねるとかするだろ、普通』 ヒューズの言葉を思い出し、なるほど、と思う。 「中佐は……」 「――ん?」 自分の思考を読まれたのかと、僅か驚いてリザを見る。 「中佐はすごい人ですね」 「……リザ?」 頭に置かれた感触に、ふと嵐のように過ぎ去った男の親友に思いを馳せた。 頑なだったリザの歪に侵入し、気付かぬうちにきちんと修復されている。 「私は彼に憧れてます」 「憧れって……」 「彼になりたかった」 突然のリザの告白に、今度こそ瞠目してロイはリザを見下ろした。 「そうすれば、ずっと貴方の傍にいられます。永遠に変わらない信頼と友情をもって」 男女間の感情ほど脆く恐ろしいものは他にないから。 「……君がヒューズなら、私は副官として側には置かない」 「大佐?」 憮然と言われた台詞に、今度はリザが疑問を投げた。 「私がヒューズなら、君は私に抱かれるか?」 「…………考えますね」 「考えるな!否定しろ!」 ムキになって怒鳴るロイがおかしくて、リザは彼の胸に顔を押し付ける。 「笑うんじゃない!…ったく…」 「大丈夫です。抱かれません」 何やらブツブツ言い始めたロイに笑いを抑えてそういえば、 ロイははあッと溜息を吐きながらリザの頭に顎を乗せた。 「……君がヒューズなら、抱けないから困る」 「貴方がヒューズ中佐なら、抱けなくて私も困ります」 胸に置いていた手を背中に回し、後ろのシャツをぎゅっと掴む。 「抱かれるんじゃなくて……?」 「私が抱くんです」 「む……抱かせていただきたいんだがね。まあ、君になら逆でもまあ…でもな…」 「私がヒューズ中佐だと、抱かれるのもお嫌でしょう?」 少しの言葉遊びでどうしてこうも楽しませてくれるのか、彼女は。 「そう。嫌なんてもんじゃない。困るんだよ、まったく」 それに応えて、リザの額に口付けを一つ。 「君は君じゃなきゃ意味がない」 「……心得ておきます」 「そうしてくれ」 私は私のままでいいのだと。 軍人として女として、リザ・ホークアイという人間として。 貴方が私にそれを望んでくれるのなら、私は私で在り続けます。 貪欲に貴方一人を求め続けます。 やっと終わったー! 書いたのは初じゃないが、自分のサイトに掲載したのは初のエロイアイ。 いかがでしたでしょうか。 私的にはまだまだ温さ大爆発な感じです(笑)。 エロっちゅーか普通のお話やんかー、みたいな。 まあ今回はシリアスラブ(?)ということでむにゃむにゃ… また機会があればエロイアイ書きたいです。 ここまで読んで下さった方々に多謝! ありがとございました!